uSimmics(旧QucsStudio)はアナログ回路だけでなく、デジタル回路のシミュレーションにも対応した汎用シミュレーターです。本記事では、論理ANDゲートを題材に、真理値表の作成からタイミング図による波形確認まで、デジタルシミュレーションの基本手順を解説します。
この記事でわかること
- uSimmics(旧QucsStudio)でデジタルコンポーネントを配置・配線する方法
- ノードへの名前付け(Wire Label)の使い方
- デジタルシミュレーションブロックの設置と実行手順
- 真理値表ダイアグラムで出力結果を確認する方法
- タイミング図(Timing Diagram)を使った時系列波形の確認方法
デジタルシミュレーションとは
デジタルシミュレーション(Digital Simulation)とは、論理ゲートやフリップフロップなどのデジタル部品の動作を、高(High)・低(Low)の2値信号で解析するシミュレーション手法です。uSimmics(旧QucsStudio)では、真理値表モードとタイムリスト(TimeList)モードの2種類のデジタルシミュレーションに対応しています。
手順:ANDゲートの真理値表シミュレーション
1. デジタルコンポーネントの選択と配置
- uSimmics(旧QucsStudio)を開き、左側のコンポーネントタブから「Digital Components」を選択します。
- 以下の2種類のコンポーネントを回路図上に配置し、配線します。
| コンポーネント | 場所 | 役割 |
|---|---|---|
| Digital Source | Digital Components | 入力信号源(2個使用) |
| n-port AND | Digital Components | ANDゲート |
2. ノードに名前を付ける(Wire Label)
回路図上で確認したいノードに名前を付けます。名前は「Insert Wire Label」機能で設定します。
| ノード | 名前 |
|---|---|
| Digital Source 1 の出力 | A |
| Digital Source 2 の出力 | B |
| ANDゲートの出力 | OUT |
補足(Wire Label): Wire Label はノードに識別名を付ける機能です。シミュレーション結果の表示やダイアグラムでの変数指定に使用します。
3. デジタルシミュレーションブロックを配置する
「Digital Components」カテゴリ内のデジタルシミュレーションブロックを回路図上に配置します。このブロックがシミュレーションの種類と条件を定義します。
4. シミュレーションを実行する
「Simulate」ボタンを押してシミュレーションを実行します。完了すると、自動的に真理値表が生成されます。
5. 真理値表ダイアグラムで結果を確認する
- Diagrams メニューから真理値表ダイアグラムを配置します。
- ダイアグラムに変数「OUT」を追加すると、2入力ANDセルの真理値表が表示されます。
| A | B | OUT |
|---|---|---|
| 0 | 0 | 0 |
| 0 | 1 | 0 |
| 1 | 0 | 0 |
| 1 | 1 | 1 |
発展:タイミング図による時系列シミュレーション
真理値表だけでなく、任意の時系列信号を与えてタイミング図で出力波形を確認することもできます。
設定手順
- シミュレーションブロックの「Type」パラメータを
TimeListに変更します。 - 各入力信号のパラメータを以下のように設定します。
| 信号 | 設定値(ON時間/OFF時間) |
|---|---|
| S1(入力A) | 1 ns / 1 ns |
| S2(入力B) | 2 ns / 2 ns |
- 設定変更後、再度「Simulate」を実行します。
- Diagrams メニューから「Timing Diagram」を配置し、波形を確認します。
補足(TimeList モード): TimeList モードでは、各入力信号の ON/OFF 時間を個別に指定することで、実際の動作タイミングに近いシミュレーションが可能です。セットアップ・ホールドタイムの検証などに活用できます。
まとめ
uSimmics(旧QucsStudio)のデジタルシミュレーション機能を使えば、論理回路の真理値表を手計算せずに自動生成でき、タイミング図による時系列動作の確認も可能です。まずはシンプルな1ゲート回路で操作に慣れ、複数ゲートの組み合わせや順序回路へと応用していきましょう。


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